2025.03.04
マンションは「そのまま売却」できる?メリット・デメリットや最適なタイミングとは
マンションを売却する際、「リフォームせずにそのまま売却したい」と考える人は多いでしょう。しかし、そのまま売却が可能かどうかはマンションの状態や市場のニーズによって異なります。
この記事では、マンションをそのまま売却するメリット・デメリット、注意点、適したタイミング、成功のコツまで詳しく解説します。売却を検討している方はぜひ参考にしてください。
マンションは「そのまま売却」できるのか?

マンションを「そのまま売却」できるかどうかは、物件の状態や市場の動向によります。以下で詳しく解説していきます。
「そのまま売却」の定義とは?
「そのまま売却」とは、リフォームやリノベーションをせずに、現在の状態のまま売却することを指します。内装の修繕やクリーニングをしない場合も含まれます。
不動産市場では、リフォーム済みの物件が好まれる一方で、買い手が自由にリノベーションできる「そのままの状態」を求めるケースもあります。
マンションの状態による売却の可否
マンションがそのまま売却できるかどうかは、築年数や設備の状態によって変わります。築浅であれば問題なく売却できる可能性が高いですが、築古で傷みが激しい場合は買い手が見つかりにくくなります。
特に、設備の故障や劣化がある場合は、売却前に修繕するか、価格を調整する必要があるでしょう。
買い手のニーズと市場動向
市場の動向や買い手のニーズも、「そのまま売却」が可能かどうかに影響します。例えば、中古マンションの需要が高まっている時期であれば、リフォームなしでも売却しやすくなります。
また、買い手の中には「自分でリノベーションしたい」と考えている人もおり、リフォーム済みよりも現状のままを好むケースもあります。
マンションをそのまま売却するメリット・デメリット
そのまま売却にはメリットとデメリットがあります。それぞれを理解した上で、最適な選択をしましょう。
リフォーム費用を節約できる
リフォームやリノベーションには数十万円から数百万円の費用がかかります。そのまま売却することで、このコストを削減できるのが大きなメリットです。
特に、売却後の住み替え資金を確保したい場合、余計な出費を抑えられるのは大きな利点です。
売却までの期間を短縮できる
リフォームを行う場合、工事期間が必要になるため、売却までの期間が長くなります。そのまま売却すれば、即座に販売活動を開始できるため、早く売却したい人には適しています。
買い手によっては価格交渉が必要になる
リフォームされていない物件は、「修繕が必要」という理由で買い手から値引き交渉をされる可能性があります。売却価格を適正に設定することが重要です。
築年数や設備の劣化が影響する
築年数が古いマンションや、設備が劣化している場合、買い手が付きにくくなる可能性があります。特に、水回りや壁のひび割れなどは注意が必要です。
マンションをそのまま売却する場合の注意点

そのまま売却する場合でも、いくつかの注意点を押さえておくと、スムーズな取引が可能になります。
内覧時の第一印象を良くする工夫
リフォームをしない場合でも、清掃や整理整頓を行い、内覧時の印象を良くすることが重要です。特に、生活感が強すぎると買い手のイメージが悪くなるため、できるだけシンプルな空間にしましょう。
修繕が必要な箇所の確認
ドアの立て付けや水回りのトラブルなど、簡単に直せる部分は修繕しておくと、売却時の評価が上がります。
管理規約のチェック
マンションの管理規約に「売却時の制約」がないか確認しましょう。特に、ペットの飼育制限やリフォームの可否などは買い手に影響を与える可能性があります。
売却価格の適正な設定
相場より高すぎる価格を設定すると売れにくくなるため、複数の不動産会社に査定を依頼し、適正価格を見極めることが大切です。
マンションをそのまま売却する手順と流れ
マンションをそのまま売却するには、いくつかのステップを踏む必要があります。スムーズな売却を実現するために、以下の流れを押さえておきましょう。
不動産会社に査定を依頼する
まずは、不動産会社に査定を依頼し、マンションの現在の市場価値を把握します。査定額は売却価格の目安となるため、複数の会社に依頼して比較することが重要です。
査定方法には、簡易査定(机上査定)と訪問査定の2種類があります。訪問査定では、実際に不動産会社の担当者が物件をチェックし、より正確な査定額を提示してくれます。
売却価格を決定する
査定額を参考にしながら、売却価格を決定します。価格設定は、売却のスピードや買い手の付きやすさに直結するため、慎重に決める必要があります。
相場より高すぎると売れ残る可能性があり、安すぎると損をしてしまうため、不動産会社と相談しながら適正な価格を設定しましょう。
媒介契約を結ぶ
売却を正式に依頼する不動産会社を選び、「媒介契約」を結びます。媒介契約には以下の3種類があり、それぞれ特徴が異なります。
専属専任媒介契約:1社のみと契約し、他の会社には依頼できない。
専任媒介契約:1社のみと契約するが、個人で買い手を見つけることは可能。
一般媒介契約:複数の不動産会社と契約可能。
売却のスピードや営業力を考慮し、自分に合った契約を選びましょう。
販売活動を開始する
媒介契約を結んだ不動産会社が、マンションの販売活動を開始します。具体的には、不動産ポータルサイトへの掲載、チラシの配布、オープンハウスの実施などが行われます。
売却活動中は、内覧希望者が訪れるため、できるだけ部屋をきれいに整えておくことが大切です。
買主と契約を締結する
購入希望者が現れ、条件がまとまったら売買契約を締結します。契約時には「手付金」を受け取り、契約内容を確認したうえで売却を確定させます。
契約書には、売却価格や引き渡し日、契約解除に関する条項などが記載されているため、慎重にチェックしましょう。
引き渡しと決済を完了する
契約後、決められた期日に買主へマンションを引き渡します。引き渡し当日は、残金の決済や所有権移転登記などの手続きを行います。
引き渡しが完了したら、マンションの売却は正式に完了となります。
マンションをそのまま売却するのに適したタイミングとは?
マンションを売却する際、タイミングによって売れやすさや価格が変わることがあります。以下のポイントを考慮して、最適なタイミングを見極めましょう。
不動産市場が活発な時期
一般的に、不動産市場は春(3〜5月)と秋(9〜10月)に活発になります。この時期は転勤や新生活を始める人が多く、買い手が増えるため、スムーズに売却しやすくなります。
マンションの築年数が影響するタイミング
築年数が10年を超えると、価格が下がり始める傾向があります。特に築20年以上になると資産価値が大幅に下落するため、売却を検討している場合は早めの決断が重要です。
ライフスタイルの変化に合わせる
家族構成の変化や転勤など、自身のライフスタイルに合わせて売却を決めるのも一つの方法です。将来的に住まなくなる予定があるなら、早めに売却の準備を進めましょう。
税制優遇を受けられるタイミング
マンション売却時には、譲渡所得税が発生することがあります。ただし、一定の条件を満たせば、税制優遇を受けられる可能性があります。
例えば、所有期間が10年以上の物件を売却すると税率が下がるため、税負担を軽減できます。
マンションをそのまま売却するためのポイントとコツ

マンションをそのまま売却する際は、いくつかのポイントを押さえることで、スムーズに買い手を見つけやすくなります。適正な価格設定や売却戦略を工夫することで、より良い条件で売却できる可能性が高まります。
適正価格を設定する
マンションの売却において、最も重要なのが適正価格の設定です。相場より高すぎると買い手が見つかりにくく、低すぎると損をしてしまう可能性があります。
適正価格を決める際には、周辺の類似物件の販売価格や成約価格を調査し、市場の動向を把握することが大切です。また、不動産会社に相談し、査定額を参考にしながら売却価格を決めると良いでしょう。
複数の不動産会社に査定を依頼する
1社だけの査定に頼ると、適正な価格がわからないことがあります。複数の不動産会社に査定を依頼することで、価格の相場を知ることができ、より有利な条件で売却を進められます。
査定額だけでなく、不動産会社の販売戦略やサポート内容も比較し、信頼できる業者を選ぶことが重要です。
最低限の清掃や整理を行う
リフォームをしない場合でも、最低限の清掃や整理を行うことで、内覧時の印象を良くすることができます。特に、玄関・リビング・水回りは買い手のチェックが厳しくなるため、できるだけ綺麗にしておくと良いでしょう。
また、不要な家具や荷物を整理し、部屋を広く見せる工夫をすると、買い手に好印象を与えやすくなります。
広告・宣伝の工夫をする
売却の成功には、効果的な広告・宣伝が欠かせません。不動産会社の販売力に頼るだけでなく、自分でも情報を発信することで、より多くの買い手にアプローチできます。
例えば、SNSや不動産ポータルサイトを活用して物件情報を拡散したり、オープンハウス(内覧会)を実施して直接買い手にアピールするのも効果的です。
不動産会社と協力しながら、最大限の宣伝効果を狙いましょう。
マンションをそのまま売却する際によくある質問
「そのまま売却」とリフォーム後の売却、どちらが得?
「そのまま売却」とリフォーム後の売却、どちらが得かは状況によります。リフォームをすると売却価格が上がる可能性がありますが、工事費用がかかるため、その分を回収できるかがポイントになります。
また、リフォーム後に買い手の好みに合わない場合、逆に売れにくくなることもあるため、事前に市場のニーズを調査することが重要です。
築古マンションでもそのまま売却できる?
築古マンションでもそのまま売却は可能ですが、価格設定が重要になります。築年数が古いと、買い手は修繕やリフォームを前提に考えるため、相場よりも低めの価格になることが多いです。
特に、耐震基準を満たしていない物件や、管理状態が悪い物件は買い手が付きにくいため、注意が必要です。
住宅ローンが残っていても売却可能?
住宅ローンが残っている場合でも売却は可能です。ただし、売却代金でローンを完済できるかがポイントになります。
もし売却価格がローン残高を下回る場合、自己資金で不足分を補う必要があります。場合によっては「任意売却」という方法を検討することもできます。
売却時に必要な書類は?
マンションを売却する際、以下のような書類が必要になります。
登記済権利証(または登記識別情報)
固定資産税納税通知書
譲渡所得の内訳書
建築確認済証および検査済証
固定資産税評価証明書
住宅ローンの残高証明書
建設住宅性能評価書
銀行口座に関する書類
マンションの管理規約・管理費などの資料
身分証明書
事前に書類を準備しておくと、スムーズに売却を進めることができます。
まとめ|マンションをそのまま売却するための最適な方法とタイミング
マンションを「そのまま売却」することは可能ですが、物件の状態や市場の動向をよく考慮する必要があります。特に、築年数や設備の状態が売却価格や売れやすさに大きく影響します。
リフォームをしない分、売却のスピードは速くなりますが、買い手によっては価格交渉が発生する可能性があります。そのため、適正価格の設定や内覧時の工夫が重要です。
マンションを売却する際は、不動産会社と相談しながら、最適なタイミングと方法を選びましょう。
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